2020年1月6日月曜日

S.B.Cってこんなトコ 第8章『他チーム、他スポーツとの掛け持ち歓迎(推奨!)』

~様々な運動刺激を得ることこそ、育成年代では重要である~

第7章で述べた理由から、他のバスケットボール団体と当スクールとの掛け持ちも大歓迎です。複数の環境、複数の指導者に触れることが、育成年代では望ましいと考えていますので、気兼ねなくご参加下さい。また、バスケットボールだけでなく、他スポーツとの掛け持ちも当スクールは推奨しております。
日本では昔から、幼少期から一つのスポーツに特化する「早期特化」が行われてきました。これは、競技によっては優秀な選手を輩出することも可能ですが、ことバスケットボールにおいては「早期特化」は望ましくないことが、研究の結果、明らかになってきています。

~「クロストレーニング」という世界の常識、日本の非常識~

全身の筋肉と骨が同じ刺激を受け、体の機能や作りがバランスのとれたものになるよう、複数のスポーツを積極的に取り入れる練習法を「クロストレーニング」と呼びます。諸外国、特にバスケットボールの本場・欧米では常識となっている考え方ですが、日本では残念ながら、これを知る指導者、或いは実践する指導者が少ないのが現状です。
バスケットボールのスター選手を見ても、幼少期から複数のスポーツに取り組んでいる選手が結果を出していることがほとんどで、バスケットボールに特化して育った選手の方がむしろ稀だとすら言えます。バスケットボールの神様と呼ばれたマイケル・ジョーダン(野球)、バスケ史上最も優秀な選手の一人と言われるアキーム・オラジュワン(サッカー・ハンドボール)やティム・ダンカン(水泳)、レブロン・ジェームズ(アメフト)、カナダ史上最高の選手とも言われるスティーブ・ナッシュ(サッカー)、「ヨーロッパのジョーダン」と評されたクロアチアのトニー・クーコッチ(卓球)、ドイツのスーパースター、ダーク・ノヴィツキー(ハンドボール・テニス)など、欧米のみならず、世界中で枚挙に暇がありません。

~「クロストレーニング」文化は、欧米が強い理由の一つ~

欧米ではメジャースポーツがシーズン制で行われており、秋・冬・春ごとに異なるスポーツ種目に取り組む仕組みが確立されています。

・秋スポーツ(9月初旬~11月下旬)
フットボール(男子)、サッカー、クロスカントリー、ウォーターポロ、バレーボール、フィールドホッケー(女子)
・冬スポーツ(11月下旬~3月上旬)
水泳、バスケットボール、レスリング(男子)、射撃、アイスホッケー、スキー、スカッシュ
・春スポーツ(3月上旬~6月上旬)
野球(男子)、ソフトボール(女子)、ラクロス、テニス、陸上、ゴルフ、バドミントン
※夏休み期間中(6-8月)はどのスポーツも公式戦は行われず、サマーキャンプと称してオフシーズンのトレーニング期間になります。

欧米ではどのスポーツの指導者も、自分達のチームの選手が別のスポーツを経験することを奨励し、クロストレーニングを否定する指導者は皆無です。大学スポーツのスカウトが選手を評価する際、その選手の専門スポーツでの成績だけではなく、他にどんなスポーツをやっていたかを重視するとさえ言われます。これは、育成年代で多様な運動刺激に触れておくことがいかに大事か、ということを如実に示しています。

~「クロストレーニング」で、ケガが少なくなる~

まず何よりも、そういった子達は深刻なケガを負う確率が低いと実感しています。考えてみれば当たり前のことで、あるスポーツに特化すればするほど、特定の動きを特定の身体の部分を使い、繰り返し行うことになります。どんなスポーツでも、ある技術の上達には反復練習は欠かせませんが、度が過ぎてしまうと、特定の筋肉や関節に疲労がたまり、ケガのリスクを増やしてしまいます。ミニバス~中学生でスポーツ障害に陥る子供には、幼少期から多様な運動をしていなかったり、早期にバスケへ特化したケースが数多く見られます。
クロストレーニングの効果として第一に挙げられる、体の機能や作りがバランスのとれたものになることで、効率的な身体運用が可能となり、ケガの防止にも寄与すると当スクールでは考えています。

~「クロストレーニング」をしてきた子は、上達が早い~

複数のスポーツをやっている(やってきた)、小さい頃から外で遊ぶことが大好き、ダンスやバレエや体操の経験がある、などの子は、やはり全体的に上達が早いです。そういった子達は、早期特化してバスケだけをやってきた子の実力などには簡単に追いついてしまい、あっさりと追い抜いてしまいます。多様な運動刺激が効率的な身体運用の礎となり、少々難しいことであってもスムーズに、イメージ通りに動作することが可能になるからです。
当スクールでは黎明期より、一貫して「バスケが上手くなりたかったら、バスケ以外もやろう」と言い続けてきました。実際にこれまで沢山の子供をコーチングしてきて、上達が早い、さほど苦労なく成長していく、ケガ(特にスポーツ障害を負うこと)が少ない子の多くは、「幼少期から多様な運動刺激を得てきた」という点が特徴として挙げられます。
一朝一夕でこの能力は身に付くものではなく、育成年代では特に意識的に行うことが必要であると、当スクールでは考えています。

~「クロストレーニング」が精神面に与えるプラス効果~

複数のスポーツに取り組むことは、競技力の向上のみならず、いわゆるバーンアウト(燃え尽き)症候群を防ぐという意味でも、非常に有効だと考えています。特に育成年代において、同じことを長期間にわたって繰り返すことは、技術的にも体力的にも上達が足踏みし停滞期に陥る、いわゆる「スランプ」なども生じてしまい、かえって効率を悪くし、スポーツを通じて幸せになるどころか、続ければ続けるほど不幸になるケースも多々あります。
こと日本のスポーツ文化は、武道的な精神修養の一面が強調されるあまり、一つのことに打ち込むことを良しとする土壌がありますが、高校、大学とカテゴリが上がるにつれ、バーンアウト症候群やスポーツ障害など、弊害も数多く発生しているのが現実です。これはスポーツの本来あるべき姿からはむしろ乖離していると言えます。当スクールでは、このような旧態依然のジュニアスポーツの有り様とは一線を画した活動を行っていきたいと考えています。
例えばエンジョイクラスでは、バスケットボール以外のスポーツをかなり積極的に行いますので、一見、何をやっているのだろうと感じられることもあるかもしれません。しかし、これは「クロストレーニング」の一環であり、また「スポーツを楽しむ」という根本を大切にする取り組みです。全ては「子供達の今と将来のために大切である」と考えているからであり、当スクールはこの部分には、確信を持って取り組んでいます。
目先のことや、何となくのイメージで育成年代のコーチングを考えてはいけません。一見おかしく見えることがあっても、全ては明確な根拠の基で行っています。選手にも親御さんにも、その部分にはどうか、信頼を置いて頂きたいと思います。
疑問に感じられたことは、遠慮なくご質問下さい。問われて答えに窮するような活動は、当スクールでは行いません。ご納得を頂けるかどうかは分かりませんが、いつでも胸を張って毅然と、根拠はお話をさせて頂きます。

~他スポーツをメインで頑張る子達も大歓迎です~

他のスポーツをメインで頑張っている子達が、「クロストレーニング」の一環として当スクールでバスケットボールに取り組む、というのも大歓迎です。
メイン競技の足枷とならないよう配慮いたしますので、お気軽にご相談下さい。

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